研究内容

量子化学計算を中心に新たな理論手法を開発し、プログラム実装することで、 有機材料・溶液・生体系における電子移動、励起エネルギー移動、プロトン移動 といった量子効果が顕著に現れる化学反応の微視的機構を解明することに 取り組んでいます。 これらの反応素過程を理解し制御することで、 高機能マテリアル分子の理論設計/探索を目指します。

有機半導体の電荷移動シミュレーション

半導体性を示す分子材料の電荷移動メカニズムを、 マルチスケール・マルチフィジクス・シミュレーションを用いて研究します。

電荷移動パラメータのDFT計算

密度汎関数理論で解いた分子軌道を使って、電荷移動積分やサイトエネルギーなどの電荷移動パラメータを高精度で計算する手法を開発しています。

量子散逸系の半古典シミュレーション

電子系のコヒーレンスと電子系-熱浴間相互作用によるエネルギー散逸の両方を適切に考慮した半古典シミュレーションをもとに、量子ダイナミクスの研究を行います。

光合成の理論計算

光合成アンテナ色素間の励起子相互作用計算から、 光合成の高速・高効率な光捕集メカニズムを研究しています。

蛋白質中の電子トンネル移動経路解析

フラグメント分子軌道法を用いて、生体系のエネルギー変換に重要な役割を果たす蛋白質中の長距離電子トンネル移動の経路を第一原理的に解析します。